アルプスの英雄
スペインを1対0で破ったスイスの選手たちに、敬意を表し、この上なく暖かい祝福の言葉をかけましょう。まぎれもなく、今大会(現時点ではかもしれませんが)一番の番狂わせであり、最も驚くべき勝利です。
この試合までスペインは優勝候補の最右翼でした。スイスは、本大会では1994年の米国大会以降、この試合の前まで1点も許していませんでした。しかし、きょう16日、初戦で欧州王者の対戦を迎え、無失点記録も風前の灯となっていました。間違いありません。しかし、これがサッカーなのです。どんなことでも起こりうるのです。そして実際に起こりました。ゴールに大歓声が起きました。スイスが1対0で勝利。スペインは衝撃に呆然とし、スイスは歓喜に酔いしれました。
解説者は「彼ら(スイス)はまだ何も成し遂げていないが、自分たちが先頭に立ったことに気づいている」と語りました。
しかし、スペイン相手に最後まで持ちこたえろと要求することは、勝利を期待するのと同じくらい馬鹿げたことです。それでも、この試合のピッチには、2002年のアンダー17世界大会でスイスに鮮烈な優勝をもたらした世代の選手が6人立っており、さらに成長した姿を見せる準備はできていました。やるべきことをやり、巧みな守備を見せました。スイスは1994年の米国大会以降、ゴールを許しておらず、今回のスペイン戦を終えても、記録は途切れていません。この記録の更新を予想した人は多くありませんでした。そして勝利を予想した人は、それ以上に少数でした。サッカーではとんでもないことが起こります。
スペインへの同情の気持ちとは関係なく、だからこそサッカーは世界最高のスポーツなのです。予測不能であり、確実なことなど何ひとつないのです。すばらしいテクニック、驚異のゴール、大成功を収めたスーパースター、驚くべき偉業は別として、これこそがサッカーが愛される理由のひとつなのです。

スペインにとってこの試合の結果は、歓迎すべきものでしょうか。過去の記録は次のことを物語っています。
・初戦で敗れたチームのうち、グループステージを突破したのはわずか8%。
・初戦で敗れたチームが大会優勝したことはない。
さらには、欧州以外で開催された本大会で欧州勢が優勝したこともありません。しかし、スペインが優勝候補のひとつに挙げられていた時点で、そんな統計上の数字を恐れる者はいませんでした。間違いなく、スペインは立て直してくるはずです。これほどすばらしいチームが立ち直らないわけがありません。