2009年12月 6日 21:36
この10年のスポーツ界で記憶に残った瞬間、ベスト6

記事:アンディー・ブル
「ウサイン・ボルトは2008年8月16日に北京オ100 m の世界記録を更新し、20日にはジョンソンの持つ200 m の世界記録を更新しました。
茹でるか揚げるか、柔らかめか固めか、細切りかぶつ切りか、人にはそれぞれ好みがあります。さて、ウサイン・ボルトは北京でわずか5日間のうちにスポーツ史上最高のパフォーマンスを2度見せましたが、その2度のレースのうち、あなたはどちらが好みでしょうか。自信満々でゴールした100 m 決勝と、顔を上げず全力で走りきった200 m 決勝のどちらでしょうか。100 m 決勝でボルトは、レースを意気揚々としたパレードに変えてしまいました。50 m 時点で先頭に立つと、90 m 時点でスピードを緩めました。レースが終わっていないのに、1着でゴールすると分かった時点でウイニングランを始めたのです。減速し、手で胸を叩きながらゴールラインを越え、公式記録で9秒7を上回った史上初の人間となりました。ほんのわずかな差で勝敗が決まる競技において、ボルトは完勝し、世界最速の男たちの面目を完全に潰しました。
一方、200 mでは本気のレースを見せました。このレースの相手は、同走のライバルたちでなく歴史でした。すでに100 m において、同時代の誰よりも速いことを証明していましたが、史上最速の男よりも速いのだろうかという疑問がまだ残されていました。アトランタ・オリンピックでマイケル・ジョンソンが記録した19秒32という記録は、永遠に破られないもののように思われていたのです。この12年間、誰ひとりとして、ジョンソンの世界記録から0秒25以内に近づいた者さえいませんでした。ボルトにとって是が非でも破りたい記録であったため、レース中に自分を誇示する姿はありませんでした。2位で走っていたショーン・クロフォードに5 m の差をつけても、レースを終えるまで顔を上げませんでした。ゴールラインを越えた直後、横を見てライバルの方へ顔を向けました。後ろを振り返ったわけではなく、世界記録に届いたか確かめようと時計に目を向けたのです。タイムは19秒30。向かい風0.69 m でした」









