ボルトは12日、カフタンゾグリオスタジアムに突然現れ、観客を驚かせました。「ヘイ!」とひと言あいさつしたかったそうです。
翌13日、200 mに出場するため再び姿を見せたボルトは、いつもながらのボルトでした。スタートラインに立つ前に、スタジアムのスピーカーから映画『その男ゾルバ』の音楽が流れると、ギターを弾くまねをしてみせました。さらに観客やカメラに向けておどけてみせたり、ウォーレス・スピアーモンとお互い代わる代わるダンスをしたりしました。
レース開始の時間になると(もちろん今回来た目的のひとつです)、黄金色のヤームをスターティングブロックに合わせました。フライングでスタートがやり直しになっても動揺せず、リラックスしているようでした。そろそろ負けてもおかしくありませんでしたが、彼は負けませんでした。19秒68のタイムでゴールし、ゲイの持つ大会記録に並んだのです。
あまりにも素晴らしかったボルトのシーズンの締めくくりとしては、ややあっけなく感じられましたが、いつもどおりの結果と言えます。
レース後、ボルトはトラックにキスしてから、シューズを脱いでサインを書きこみ、ファンに手渡しました。そして裸足のままハイタッチを交わしながら一周したあと、子供たちのためにサインをしました。
そんなテッサロニキにおいてボルト以上に注目を集めるには特別なパフォーマンスが必要でしたが、29歳のアメリカ人、カーメリタ・ジーターが素晴らしい走りを見せてくれました。
ジーターは女子100 mを過去11年間の最高記録となる10秒67のタイムで制し、世界陸上王者のシェリー=アン・フレーザーに完勝。文句なく今大会一番の見せ場となりました。
シーズンを終えた今、ボルトの最優先事項は「休む」ことです。
14日に母国ジャマイカへ向けて発ったボルトは、その後6週間の休暇を心待ちにしています。「力を振り絞って走ったよ。今季最後のレースだったし、残っていた力を使い果たした。シーズンが終わって素直に嬉しいよ。本当に疲れたからね」
今後の予定を尋ねられると、ディズニーランドについてはひと言も触れず、故国についてだけ語りました。「できればたっぷり休みたい。何か特別に楽しみにしていることはないよ。ただうちに帰りたいんだ」
「休みはいつも1か月だから、6週間は嬉しい。誰だって1年のうち10か月半も走った後なら、走るのが恋しくなったりしないよ。次のレースの日が近づいてきたら、ああ、またかと思うのさ」
ボルトは今、トレーニングではなく、普通の生活を楽しみたいと語りました。「テレビゲームで遊んだり、クラブに出かけたりしたい。だいたいそんなところかな。僕は、家で音楽を聴いてのんびりするタイプの人間なんだ」
体を休めてリラックスする。シーズン終了後の過ごし方としては、まさにうってつけです。