新しい船出
プーマのマルモストロ号は、最後の仕上げを施すためにニューイングランドボートワークスにある造船所に移動する予定だ。
チームとして、1年前に2011年5月1日をプーマの新しいボルボオープン70の船出日にしようと決めていたんだ。でも、その予定日が近づくにつれ、その計画が遂行されるのはほとんど奇跡に近い出来事だということが判明してきた。新しいボートを製作するに際し、計画を見直さなければいけない理由は山のように見つかるんだ。もちろん、より良いものを作るためにね。でも、ビルドチームは決して諦めることはせず、この6週間の間メンバーはボートを完成させるために二交代制で作業を行い、24時間体制でなんとか妥協をせずにボートが完成日に間に合うよう作業を続けてきたんだ。なぜ今回、このような状況に陥ったのかって?それは、可能な限り多くの時間をボートのデザインに割きたかったからなんだ。ボートの製作を可能な限り遅らせ、その分フアンKオフィスにより多くの時間をデザインに費やしてもらいたかったからだよ。逆を言えば、それによりビルドチームには最初から多大な苦労をかけることになってしまったけどね。幸運にも、今回の時間の使い方は正しかったみたいだね。少なくとも、僕らチームのメンバーはそう思っているよ。膨大な時間をデザインに割くことになったけど、多くのライバルの中、プーマのボートは2番目か3番目に早い完成となりそうだよ。実に素晴らしい!
ブランドン・リントン、ティム・ハケット、そして製作"特別チーム"を含む40名を越えるビルドチーム、そしてニューイングランドボートワークスの作業チームと管理チームも含め、今週はチーム全員を称えないといけないね。ブラッド・ジャクソンはセーリングチーム出身の素晴らしいビルドコーディネーターで、ボートの細部に至るまでフアンKオフィスのナウエル・ウィルソンと共に毎日作業を行ってくれたんだ。以前にも言ったように、デザイン勝負はレース前から始まっているんだ。ビルドチームは本当に素晴らしい仕事をしてくれたから、この勢いを生かすも殺すも後はセーラーたちの腕にかかっていると言えるね。
4月26日月曜の段階で、ボルボオープン70の製作作業はほぼ完成に達したよ。来週中に、チーム全員(ショアチームとセーリングチーム両方)でマルモストロ号の最後の仕上げ作業を行う予定なんだ。ボートは今日、低い屋根の"製作"現場から高い屋根を持つ"最終仕上げ作業"現場に移動して、キールやその他のパーツを取り付ける予定なんだ。今週末には、完成したボートを最終仕上げ作業現場から出してマストを取り付けることになっている。メンバー全員と関係者で打ち上げパーティーを行い、ボートの負荷テストを終えた後、来週早々にはセーリングに出発する予定だよ。
正直に言うと、新しいボートに乗る事を考えると凄く落ち着かない気分になるんだ。製作作業における最後の数週間は、チームにとって本当に大変な時期なんだよ。セーラーは各々得意分野を持っており、新しいボートで色々なことを試したいと思っている。あと1週間もすれば僕らはこの素晴らしいボートのテストを開始する予定で、このボートが高度な要求に耐え得るかどうか試そうと思っているんだ。
間もなく、マルモストロ号はニューポートハーバーを出発してロードアイランド湾に向かう予定だよ。このボートは本当にユニークなデザインをしているから、僕らを見分けるのは凄く簡単だと思うよ。それに、まだこのあたりは寒いから、僕ら以外に誰もセーリングに出かけようなんて思わないはずだしね。
今回のボート製作に関してはなるべく口外しないようにしていたんだけど、ニューポート周辺ではほとんどの人が知っていたみたいだね。地域のみんなは僕らの計画を快く受け入れてくれたから、本当に言葉に表せないくらい感謝しているんだ。僕にとっては、今回の計画で子供の頃からの夢がかなったと言えるよ。この4年間は大きな大会の船出をニューポートで迎えることができたから、次の4年間がどんな感じになるか今から待ちきれないね。とは言っても、まず先にやるべきことがあったね。今回のレースに参加し、そして勝利を掴み取る。凄く競争の激しいレースが経験できるんじゃないかな。
ケン・リード