クルーたちは大忙し

  • PUMA Sailing
  • Written on:2011年12月 6日

クルーたちがレース復帰に向け作業を進めている中、ケニーが第1レグの戦況を振り返ってくれました。

今日で32日目だ。想像できるかい?32日間が過ぎたけど、まだ第1レグなんだ。しかも、その間ずっと船で海面を移動していたんだよ。飛行機や電車、自動車ではなくね。まだまだ、船による世界横断の旅は続いていくよ。ただ、"セーリング"による世界横断、もしくは"自前ボートによる世界横断"とは言えなくなってしまったけどね。でも、この32日間を船で過ごしたことには変わりないよ。

クルーたちは、休み無く作業に専念しているよ。今日は珍しく、メンバー全員がご機嫌斜めのようだけどね。こういう状況は起こってしかるべきだし、もうケープタウンは目の前だから、この状況も長くは続かないと思うけどね。ケープタウンまであと150マイルほどなんだけど、ケープタウンにある港に到着するのは現地時間午後11時の予定なんだ。ボートの改修作業はほぼ完了していて、少なくとも今ある道具と材料で出来ることは全て終えることが出来たよ。船内の状況は、相変わらずだよ。輸送船は20度の角度で定期的に揺れを起こし、ディーゼルエンジンの騒音やオイルのにおいが周囲に蔓延しているんだ。でも、この状況ともお別れの時が来た。勘違いしないで欲しいんだけど、チームブレーメンとブレーメンのクルーたちは、僕らにとっては救いの神と言える存在なんだ。でも、もうこの船からは下りる時が来たんだよ。

一時期、ケープタウンへの旅路は一生続くような気さえしていたんだ。でも、その旅路ももう終焉を迎えることになるね。ギリギリではあるけど、全ての物事が順調に進めば、僕らは土曜に開催されるインポートレースに間に合うはずだし、日曜の第2レグスタートにも間に合うはずなんだ。17日前、運悪く僕らはケープタウンまで2,000マイルの位置でマストを失い、僅かな量のディーゼル燃料と限られた食料しかない状況に追い込まれてしまった。でも、多くの人たちの行動や努力、そして創造的な発想のおかげで、なんとかまたレースに復帰することができそうだよ。レースへの復帰こそが、僕らが望んでいる全てなんだ。

この苦境を理解してくれた家族、この状況の打破に尽力してくれたショアチーム、サポートしてくれているスポンサー、そして常に僕らに気をかけてくれている友人たちの存在なしでは、第2レグまでにレース復帰することは不可能だったよ。それに、僕らの状況に対するセーリング業界の反応を、クルーたちは知っていた。これこそが、朝起きていつもと違う状況下で作業を行うモチベーションになったし、再びレースに復帰するためのボート改修作業を行う糧となったんだ。レースを行うことこそが僕らの本来の目的だけど、今回の奇妙な状況との遭遇こそが、第1レグにおける僕らの"冒険"となったね。

アリカンテでの記者会見の場で、僕は、前大会以上に今大会を楽しむつもりだと繰り返し言ったんだ。セーリングで世界横断をしている間に、色々と考えを巡らし、風景の美しさを堪能し、そしてこの大会を楽しもうと思っていたんだ。前回大会時、世界横断まで4分の3を残した時点でようやく自分たちが行っていることに気付いたんだけど、その時は改めて驚いたよ。セーリングで世界横断を果たすなんて、なかなか出来ることではないからね。今大会ではこの事実に早めに気を払うことにしたんだけど、今僕らが直面している状況に遭遇するなんて、夢にも思っていなかったよ。

海と大陸を結ぶ活動は、船員が過去何世紀にも渡って行ってきたことなんだ。でも、僕らは、その活動から一歩、二歩外れてしまっていると思わない?だって、僕らがやっていることはレースだからね。もちろんレースも人間活動の一つではあるけど、その原理は競い合いだからね。僕らのレースは実質17日前に終わってしまっているし、今の目標はVORのライバルたちと再びレースが出来るよう、クルーとボートを無事に大陸に帰すことなんだ。

僕が誇らしいと思っていることの一つは、僕らのチームが理想的な団結力を持っていることだよ。クルーたちはみんな仲がとても良いし、みんな自分の役割をしっかりとこなしてくれている。レース復帰への準備は、万全だと言えるね。もちろん、マストが折れた時とほぼ同じ状況で戦列に復帰することになるから、恐怖心はあるよ。しかも、予備マストをリグに合わせないといけないから、以前よりさらに不利な状況での船出になるかもしれないね。この状態で、第2レグを戦い抜けるか?試走や練習無しで、チームとして結果を出すことが出来るのか?セーリングや普段の業務の勘を取り戻すのに、どのくらいの時間がかかるのか?これらの疑問に対する答えは、実際その時になってみないとわからないね。これらの疑問に対する回答を得ることが、今回の冒険劇の最終章になるんじゃないかな。

通常だと、各レグの間で数週間の休息時間が取ることができて、ブログもしばらく休止することになるんだ。そうなればエーモリーのブログに飽き飽きすることもなくなるから、みんなにとっては健全な事だと言えるよね。でも、今回に関しては、そうはならないよ。5日後には、また僕らは情報発信を開始する予定なんだ。次回からは、ライバルたちの状況や実際に僕らがレースでとった戦略について話すつもりだよ。

予定通りその話が出来るといいけどね。

それではまた次回。この32日間の間僕らの活動を見守ってくれて、どうもありがとう。みんなの応援が無かったら、ここまで来ることはできなかったよ。

ケニー

ケン・リード

キャプテン

プーマオーシャンレーシング ベルグ社協賛

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