コンテンツ管理システムによると、今回の記事はウェブサイトYachtsponsorship.comの1,000番目の記事に当たります。それにふさわしく今回のテーマは、他の人気スポーツに対抗して、いかにセーリングをプロモーションやコミュニーションのプラットフォームとして機能させるかについてです。
2009世界ヨットレーシングフォーラム初日の主要テーマのひとつは、さまざまなスポンサーがそれぞれ別の狙いを持っているため、投資の回収目標に基準がないということでした。企業向け企業と消費者向け企業とでは、求める成果が異なります。そしてもちろん、そうした企業とはセールスアプローチもサイクルもまったく異なる政府向け企業も存在します。
たとえば、プーマとベルックス、それにBTグループの取り組みを比較すると、興味深いことがわかります。各社ともそれぞれ特定の消費者を狙い、独自のメッセージを発信するために、セーリング界において異なるプラットフォームを選んでいるのです。
私たちはプーマがセーリング界に参入して以来、プーマの大ファンです。プーマには他のスポンサーにはない有利ないくつも点があります。それは消費者向け企業であること、セーリング関連商品を販売していること、ヨットレース以外のスポーツでのマーケティング経験が豊富であること、そしてファッションや音楽といった他の分野における活動を利用できるということです。
プーマがセーリング界で取り組んでいることの何もかもが異色です。音楽にはクラシックではなくロックを使い、サウンドバイト(声や音を使った宣伝手法)では、リハーサル済みの宣伝文ではなく、競技者のリアルな生の感情を伝えています。
プーマのグループヘッド マーケティングのダニエル・マイルズは、今回のフォーラムでスポンサーとしての視点から、プーマがレースでの勝利を目指すために取った方法を紹介しました。プーマの戦略には、ヨットの所有、関連用具の紹介、(海と陸の両方での)適切なチーム作り、プーマシティ、積極的なメディア戦略などが挙げられます。
キャンペーンでは、プーマの主力商品であるスニーカーの成功要因をヨットのウェアに活用しました。ファッションショーを導入したり、文化の違いに目をつけたりするなど、性別を問わないアプローチを取り入れたのです。プーマにとってキャンペーン活動は、レースに負けず劣らず重要です。理想は、船の用具であるという制約をセーリングウェアから取り払うことです。一般の44,000人を超える人たちが、レースとは関係ない活動を通じて、プーマというブランドと結びついているとプーマは見ています。
プーマは、競合相手でない企業との協働作業も決めました。これは他のスポーツの世界においてはよく見られることです。多くの権利者が「ビジネスクラブ」なるものを創設して、スポンサーと提携企業が外部の消費者相手だけでなく、お互いを相手にビジネスを行えるようにしています。また、レース村で培われた関係が、実際の利益につながることもしばしばです。たとえば、セーリングの「競合」スポンサーであるエリクソンと連携して、携帯電話をコミュニケーションのプラットフォームとして利用する手段を開発しています。
レースに勝つためには最高のセーラーたちを集めることも重要ですが、サポートチームも最高レベルでなくてはならないこともプーマは理解しています。スポーツ界の多くの人が「車やボートを少しでも速く走らせようとしないなら、何のためにそこにお金をつぎ込む必要があるのか」という考えに同意しています。賢明なスポンサーは、メディア競争に勝つにはお金がかかることを認識しているのです。