10月22日、プーマ®チームは去年のこの日、南アフリカのケープタウンへ向かう途中で、航行中はじめて赤道を越えました。そしてケニーとケーシーとミチは、海の神ネプチューンに紹介されたのです。以下は、その顛末について書いたブログです。
私は乗り越えられたことを喜んでいます。赤道越えができたことを。
あれは「ブレイクタイム 悪名高き赤道越えの儀式」と称すべきものでした。海の神ネプチューンは、赤道越えを初めて体験する人への洗礼として、それがなんであろうと「過去の罪」に対してなんらかの罰を与えます。個人的な感想を言えば、儀式の何もかもが大学の新入生いじめみたいなものです。もしくは、アルコール抜きの悪ふざけが過ぎるバチェラーパーティー(男だけの独身お別れパーティー)と言ってもいいかもしれません。
なぜ、私にとってたいした意味もない儀式についてわざわざ書こうとするのか。それは、好む好まざるにかかわらず、私もその渦中のひとりだったからです。イル モストロのクルーで赤道越えが初めてだったのは、ケーシー・スミスとミチ・ミューラーと私でした。数ヶ月ものあいだ、どんな目に遭わされるかについて憶測を働かせていました。そのいずれも冗談めいたものでしたが、悪巧みを企むように目を輝かせながら考えをめぐらせていました。
けれども、予期せぬ出来事が2つ起きました。1つ目は、それまで微風だった風が20ノットほどの強風に変わり、落ち着かない荒波が断続的に押し寄せてきました。2つ目は、私たちはまだエリクソン4と接戦を演じており、その日は朝からずっと徐々に差を詰められていたことです。実のところ、このレグの大半、エリクソン4は常に私たちの視界に入っていた気がします。この2つの要因が、儀式に大きな影響を与えたことは間違いありません。
私たちがデッキに呼び出されると、突然、目を爛々と光らせたジャスティン・フェリスが、何やら得体の知れないものが入ったバケツを持って現れました。その中身は、ここ1両日中の食事の残りをかき集め、そこに私の好物であると同時に世界で一番気色悪い食べ物ベジマイトを混ぜ合わせたものでした。
手順1:私たち3人は、バケツの中身を気持ち悪くなるくらい体に塗りつけられるのを覚悟しました。
手順2:私たち3人は、ひとりひとり別々のプレゼントをもらいました。私には、言うなればシャレを効かせた整髪用ジェルで、ジャスティンがベジマイトに浸した両手で塗りつけると、髪の間から滲み出てきました。気持ち悪いなんてもんじゃありません!次にケーシーには、悪臭漂う食べ物の残りほぼすべてが塗りつけられました。あまり独創的とは言えないプレゼントです。そして最後の標的は、ポニーテールの若者ミチでした。
ミチにはハサミだけが手渡されました。報いを恐れるあまりミチの髪を切る勇気があった者がいたとは思いません。しかし、食べ物の刑を逃れるチャンスを与えられたミチは、すぐに頭の後ろに手を伸ばしてポニーテールをつかむと、その長い金髪の束を1インチほどだけ残して切り落としました。3人に対する儀式のどれもが、クルーのみんなを大いに楽しませました。
そして最後の儀式には、フランス産のブランデー、ナポレオンが使われました。それをひと口ネプチューンに捧げたあと、各クルーがひと口ずつ飲み、そしてふた口分を船の安全に捧げました。こうして儀式は終わりました。やれやれです。痛みといえるものはまったくありませんでしたが、私は10分間ほど舳先に立つはめになりました。はじける波と食器洗い用洗剤でベジマイトを洗い流すためです。結局、昨夜寝ようとする時間になるまで、私はあの悪臭をずっと嗅ぎっぱなしだった気がします。あの臭いは、現実においても私の頭の中でも、当分消えないのではと思ったほどです。
けれども、風と波と、近くを航行していたヨットに感謝しています。最後にはやはり、それらが恥ずかしさから救ってくれた気がします。